伝えることが得意な方・苦手な方、自己主張ができる方、非主張的な方など、自分はどこに当てはまるのでしょうか。
わたしは職業柄「聴く」ことは得意としていますが「伝える」ことに関しては、どうなのでしょう。こうしてブログを書いている今も、自分の意図がどこまでお伝えできているか少々不安であります。
自己主張とは、自分の考えを押し付けたり、強すぎてしまうと、他者に不快感を与え、時には傷つけてしまう攻撃性をもってしまいます。
しかし、自己主張を我慢してしまうと、自分の気持ちを抑圧し、蓋をして自分の気持ちを大切にしていないことに繋がりますよね。
そこで、自分も相手も大切にする自己表現を「アサーション」と言います。
自分の思いを大切にして「伝える」と同時に、相手の思いを大切にして「聴く」ことで成り立つコミュニケーション法でその具体的方法論です。
かつて、アメリカの精神科医ウォルピが、対人恐怖や自己表現が苦手な人のためのカウンセリングの方法として実施されていたトレーニング法です。
現在では、コミュニケーション・スキルを養うためのアサーションが、日常生活の中で幅広く利用されるようになりました。また応用範囲もどんどん広がっているように感じます。
アサーションのいう「自分を大切にする」とは自分の想いをきちんと伝えること、「相手を大切にする」とは相手の想いをきちんと聴くことです。
どうせ話しても理解してもらえない、伝えても無駄であろうと、あれこれ考えがちですが、相手の反応を気にするのではなく、まずは「自分の思いを相手に伝える」ことにエネルギーを注いでみてはいかがでしょうか。
できる限りのことをしても伝わらない事は誰にでもあり、そんな時はさらにアサーティブなコミュニケーションを続けて、一往復で完結するやりとりを目指すのではなく、丁寧なやりとりをする事ができれば、相互理解は進み、建設的な会話をすることができるのだと思います。
当ルームでは、アサーション・トレーニングのプログラムを用意しています。
これまで多くの方にご利用いただきましたが、実践的であるため変化が得られやすく、日常生活の中で効果を実感していただいています。アサーションを学ぶことは、豊かな人間関係をもたらしますからね。
そこで、アサーションをアメリカから日本に紹介した第一人者、平木典子先生の著書がおすすめです。(アサーションの心、アサーション・トレーニング)自己表現の権利、日常生活での使い方から実践までボリュームのある一冊です。
そして同じ平木先生の本で、わたしが初めてカウンセリング関連で手にした一冊がこちら。
カウンセリングの歴史や発展、フロイト、ユング、アドラー、ロジャースなど心理学者の先人たちの理論に広く触れ、導入には優しい本です。
カウンセリングを学ぶ方だけではなく、これからカウンセリングを受ける方にも理解が深まる一冊ではないかと思います。
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