カウンセリング

こころの痛みを考える

リエゾン9巻が発売されました。

今回のテーマは前回に引き続き子どもの「希死念慮」と「産後うつ」について。

どちらも臨床現場で取り扱う内容ですが、とりわけ希死念慮はデリケートで慎重な対応が必要となります。

希死念慮への対応はマニュアル通りというわけにはいきません。

テキストには、死にたいと相談してくれたことに感謝して、その苦しみを理解し共感を示すべきだと書いてありますが、この対応だけでは心もとない。

言葉にならない思いを急かさずに否定せず、ありのままをきく姿勢を持つことがなにより大切なのことで、ときには相手が口を開くまで、辛抱強く待つ必要もあるでしょう。

また、希死念慮を持つ人に無闇に自殺を止めようとすると、返ってその人を苦しめ、唯一の支えを奪ってしまう可能性もあります。これは自傷行為にもいえることですね。

自分を傷つけて消えてしまうことを、一番楽になる方法として捉えている人に、お説教や自分の価値観を押し付けても全く意味を持たないのですよね。でも肯定することとも違うので非常に難しい。

そして、大事なことは自殺を実行しないと約束をとること。死んでほしくないということを伝えることはとても大切なことです。しっかり目を見て約束をしてくれた方は次回もお会いできるものです。

こちらの本を読みながら最も心に残ったセリフがこちら。

“死にたい理由を理解しようとするのではなく、その人が苦しみながらも今日まで生きてこられた理由を考える”。

まさに一筋の光を、その人の生きたいという理由をひとつでも見つけられたら。

また、希死念慮と比べ、自殺念慮はさらに危険性が高くなります。

希死念慮とは死にたいと強く思いつつ、具体的な方法までは考えていない状態を指しますが、自殺念慮とは、この世から去るための具体的な方法を考えている、もしくは準備を始めた、または準備が完了している状態となります。

これらは精神疾患が慢性化や重症化をしている可能性の高い症状と言えます。

未受診の場合は、心療内科または精神科へ繋げる必要がありますが、身近な人のサポートも重要となるでしょう。

コロナ第7波が広がっていますね。熱中症対策とマスクの関係、難しくなりますね。当ルームでも引き続き感染予防対策とクライエントの皆さまにはマスクの着用と消毒のご協力をお願いしております。

戻り梅雨のような雨が続いていますがご自愛ください。

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