カウンセリング

潤う時間

陶芸教室をはじめてもうじき丸5年、先日、地域の文化祭に陶芸作品の展示に参加しました。

文化祭では、お教室のメンバーそれぞれが自身の創った作品を5-6点展示し、来場客に見ていただくという機会になります。自分の創った(力作)を誰かに見て貰うということはほとんどないことなので非常に新鮮です。

陶芸の一番の魅力と言えば、粘土に触れ集中できる時間が持てることでしょうか。騒がしい心が粘土に触れると静まると言いますか、落ち着くといいますか、いつもとは違う時間軸にいるような感覚になります。カウンセリングでいうと、描画や粘土を用いると何だかその方の何かが解けて言葉以上に伝わる部分がありますから、こういった時間というのは不思議な魅力があるのだと感じます。

そして陶芸の「触る・創る・沈黙・見る・使う」という魅力も気に入っています。

お教室のメンバーの皆さんは年齢層様々です。一体どんなお仕事をされているのか、既婚者か独身か、お子さんがおられるのかどうかという周辺情報は一切知りません。それでも月2回顔を合わせメンバーが揃えば自然に会話が生まれます。恐らくわたしは、心理士でもなく母親でもなく、妻でもない「自分」で居られる空間が精神衛生上、心地よいと感じているのかも知れません。

生活を送る中で、症状があろうとなかろうと、たわいもない楽しみだったり潤いがあったりすると、抱えているものの勢いや強さが少し緩和するのではないかと思います。

カウンセリングでは、訴えていらっしゃる症状や苦痛に焦点が当たりやすくもありますが、ただ原因や問題を取り除けば良いという訳でもなくて、実際にはクライエントさんの生活にもしっかり目を向けることが非常に大切なことです。例え症状が残ったとしても、その方に楽しみが戻り、その方らしく安定して生きていかれるようなサポートを願うのですよね。

さて、話を陶芸に戻しますと、困ったことに私の陶芸技術はなかなか開花しないのです。5年も経つのに頭を抱えてしまいますが、この際「へたっぴだからこそ出せる味わい」を探求してみようかなとも思うわけです。センスがないなりに(技巧を)駆使して?、テクニックではなくアートを楽しむとか…?

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。