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記念日(命日)反応

記念日(命日)反応とは、大切な人や身近な人が亡くなった後、故人を想起させるような特別な日を前後して、病的な原因があるわけではないのに、不安になったり、心がざわついたり、身体や心に不調が生じてくることをいいます。不思議なことに故人の痛んでいた部位が痛くなったり、アレルギーの反応が強くなるなど身体になにかしらの症状が現れることもあるようです。

この記念日とは、命日、故人の誕生日、お盆、父の日、母の日などにあたりますが、たとえば桜や紅葉など季節を象徴する思い出は直結しやすく、その時期や季節になるとどうしてか気分が落ち込んでしまうということもあるようです。匂いや音楽などの記憶も想起しやすいですよね。

わたし自身も、8年前に母親を亡くした経験から思うのですが、命日だけでなく、母の誕生日や母の日はやはり折に触れ気持ちがざわつく感覚を覚えます。心残りや最期の状況などが浮かんでは消え、しばらくは喪失感で心が奪われていくような感覚がありました。

そして、10/22には愛犬キャラメルの命日、身をもってペットロスを体験した1年でした。

北海道に住む娘と日程調整をし、お寺さんで一周忌の法要をしてきました。

約16年一緒に過ごしたキャラメルの存在は大きく、ちょっと指で押されたらまだ崩れてしまいそうな心理状況で、法要でのお経や説法では、堪えきれない気持ちが溢れました。

久しぶりにお骨を抱きしめて、今は触れられない、存在を感じられないけれど、どこかあの頃の一体感を感じてみたり。たった1年で到底心の整理などつかないけれど、自分が気が済むまであの子たちの物を傍に置き、自分を騙すことなく気が済むまでとことん悲しんでみるしかないと思っています。

このように、誰にでも起こりうる「記念日(命日)反応」というものがあるのだと知っているだけでも、少しだけ自分を客観視できる時間を作ることができるのだと思います。

不調が起きても落ち着いて、この記念日(命日)反応のせいだな、と考えられますものね。

そして、対策として、記念日にどのようにして過ごすか予め決めておくのも良いと思います。ひとりにならないようにする、家族で偲ぶ時間を過ごすなど。

行きつ戻りつでいいのですよね。

必ず時間が癒す手助けをしてくれると信じて。

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