疲れたときの甘いものは、からだやこころに染み渡りますね。
意外だと感じるかも知れませんが、知覚や感覚器官に関する領域は心理学の範囲となります。
昨年の公認心理師の国試にも味覚の基本味について問う出題がありました。
味覚の基本味とは、食べ物が口腔内に点在する味蕾に存在する味細胞を刺激したときに生じる感覚とし、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5基本味といわれます。
人間にとって5つの基本味を感じることは、美味しさを感じるだけではなく、危険な食べ物を察知する防衛であったり、安全に栄養素を摂取するためにとても重要だといえます。
その中の甘味は、エネルギー補給という目的が強いといわれ、疲れたときに甘いものが食べたくなるというのはごく自然な感覚として受け入れられています。
仕事や勉強などの合間に疲れを感じたとき、つい甘いものを口にしたくなりますね。
では、甘いものを摂取すると体にどんなことが起こるののでしょうか。
本当に疲れが取れて元気になるのでしょうか。
疲れた時に甘いものが欲しくなる理由は、脳の疲れがあるそうです。
人間はストレスが溜まると脳が疲れ、通常よりも多くのエネルギーが必要になります。脳が必要とするエネルギー源はブドウ糖(グルコース)。血液中のブドウ糖が少なくなると自然と脳がブドウ糖を補給しようとするので、甘いものが欲しくなるそうです。
そう言えば、わたしが試験勉強をしていたときラムネをよく食べていました。ラムネはブドウ糖90%で迅速にエネルギー補給ができるそうですね。確かに、脳の緊張が和らぐ感覚を得ていました。試験会場にも持ち込みましたが、休憩中にお隣さんをはじめ、ラムネを食べている方が多く見受けられて、ラムネブームを確信しました。
そして、甘いものは喜びを感じるホルモンが出ると言われます。
これは、脳内で幸せを感じるβ-エンドロフィンの濃度が上がるからで、人の体にとって糖分は大切なエネルギー源なので、食べた時に喜びを感じるようになっています。疲れたときに幸せを感じたい、癒されたいという欲求が本能的に甘いものを欲するのかもしれませんね。
週末、ちょっぴり落ち込んだ友人が我が家を訪れました。
きっと食事も摂れていないであろうとお菓子を作って待っていました。甘いものに思いを託して。
ルームを訪れるクライエントさんたちも、疲れたとき、頑張ったときのご褒美に、また落ち込んだときの癒しとして甘いものには助けられているようですね。
かくいう私も甘いものには目がありません。脳とこころのエネルギーチャージに上手に愉しみたいと思います。
くれぐれも食べすきには注意ですよ。
自省を込めて。
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