東海地方、梅雨明けしたとみられると発表されました。まだ6月、驚くほど早い梅雨明けですよね。長雨は憂鬱ですけど早くも猛暑、水不足等が心配な夏となりそうですね。
さて、しばしば臨床現場であるカウンセリングでも取り上げられる、妊活うつや不妊うつ、マタニティブルーズと産後うつのそれぞれの要点を整理してみます。
◇「妊活うつ」や「不妊うつ」
近年相談件数が増加傾向にあります。不妊治療や妊娠活動に伴うデリケートな問題は、周囲に相談しづらく、心理的ストレスと心身への負担が抑うつ症状などの心の不調により生じるうつ病、うつ状態を指します。例え配偶者間であっても遠慮や申し訳なさから相談できないなど孤独感が生じやすく、抑うつや不安・喪失感といった感情が増幅してしまうこともあります。
◇マタニティブルーズ
臨床的には約半数が経験するという印象があります。その頻度は、報告によって異なりますが13~50%と非常に広くなっています。
主な症状は、産後2~3日ごろから認められ、急に泣けてくる、悲しくなる、不安、イライラ、不眠、食思不振などが挙げられます。しかし、これらの症状はいずれも軽度であり、生活や育児には支障をきたさないものとされています。さらに、産後10日程度でこれらの症状は自然に消失します。
◇産後うつ病
産後うつは出産によってホルモンバランスが乱れること、育児に対する不安や環境の変化といったストレスの2つが原因と考えられています。
一般的なうつ病の診断基準を満たし、尚且つ産後1か月以内の発症であるという基準があります。産後うつ病の有病率は報告によって異なりますが、おおよそ10%程度と考えられています。
放っておけば治るものではなく、何年も苦しむ方もおられます。
そこで、産後うつ病の治療は、うつ病の治療に準じますので、主に抗うつ薬(SSRI)を使用することが多いです。しかし、母乳をあげたいから薬は飲みたくないという産後うつ病のお母さんは少なくないでしょう。そこで、SSRIの相対的乳児投与量は、母乳を介して新生児が摂取する薬の量が低いことが知られていますので、お母さんは安心して母乳を与えながら治療に臨むことができます。主治医と良く相談し納得のいく選択肢を選んでくださいね。
以下、わかりやすくマタニティブルーズと産後うつ病の違いを表に示しますね。
マタニティブルーズ | 産後うつ病 | |
持続期間 | 2週間以内 | 2週間以上 |
発症時期 | 産後2~3日 | 産後1か月以内 |
有病率 | 13~50% | 10%程度 |
重症度 | 生活に支障をきたさない程度 | 生活に支障をきたす |
希死念慮 | 認められない | 認められることもある |
マタニティブルーズは、半数以上の産後女性にみられ自然と症状が改善してくるのに対し、産後うつ病は長引きます。また、マタニティブルーズ自体が産後うつ病発症のリスクとも言われていますので適切なケアが必要です。
思い起こせばわたしは様々な婦人科系の経験をしてきたように思います。経験したことが、女性として支援者として、カウンセリングや同等な立場の方に寄与出来たら本望だと思います。また別の機会に綴りますね。
コメント