暦の上では立秋を過ぎましたが、まだまだ猛暑が続きますね。
お盆に北海道から娘夫婦が帰省しましたが、今年の夏は北海道も猛暑だそう。北海道のお盆明けはもう秋なんて定説はどこへやら、湿気のあるじめじめとした暑さが続いているそうで、もはや避暑地はなさそうですね。
ゲシュタルトの祈りのご紹介です。
ゲシュタルト療法の創始者 フレデリック・S・パールズ(ドイツの精神科医1893~1970)が創設したゲシュタルト療法の思想を盛り込んだ詩です。
日本語訳は様々ありますが、その中で私がしっくりくるこちらを紹介します。
「わたしはわたしのために生きる
あなたはあなたのために生きる
わたしは何もあなたの期待に沿うためにこの世に生きているわけじゃない
そして、あなたもわたしの期待に沿うためにこの世にいるわけじゃない
わたしはわたし あなたはあなた
でも、偶然がわたしたちを出会わせるなら、それは素敵なこと
たとえ出会えなくても、それもまた同じように素晴らしいこと」
(原文)「I do my thing, and you do your thing. I am not in this world to live up to your expectations, And you are not in this world to live up to mine. You are you, and I am I, and if by the chance we find each other, it’s beautiful. If not, it can’t be helped.」
まさにゲシュタルト的な実存主義の表明ともいえるものですね。
この「わたし」と「あなた」との混乱が心理的困難の原因であると考えられますから、「わたし」と「あなた」を区切る境界は大切なことです。
「人目が気になる」「人の評価が気になる」「自他の境界線が曖昧になってしまう」とき、この詩を読み返してみると心が軽くなる方も多いはず。
このように他者と比べることなくありのままの自分を大切に、自分の人生を自由に実現していく力を育んでいきたいものですね。そして自分を大切にすることは、他者を尊重することにも繋がりますから。
また、フレデリック・パールズの弟子であるウォルター・タブスが「ゲシュタルトの祈り」の返歌として発表したこちらの詩も素敵でまた心を打ちます。
「もし、わたしはわたしのことをして
あなたはあなたのことをするだけなら
お互いの絆も自分自身も見失う危険に立たされる
わたしはあなたの期待にそうためにいるのではない
でも、わたしが存在するのは、あなたがかけがえのない唯一の存在と確認するため
そして、わたしもあなたからかけがえのない存在として確認してもらうため
お互いにふれあいがある時のみ、完全に自分自身になれる
あなたがいるからこそわたしがいる
わたしとあなたとの出逢いは偶然ではない
能動的に求めるから、あなたとの心のふれあいが生まれるのである
受け身的に事の流れに身を任せるからではなく、
意図的に求めるから、心のふれあいができるのである」
(原文)If I just do my thing and you do yours, We stand in danger of losing each other And ourselves.
I am not in this world to live up to your expectations, But I am in this world to confirm you As a unique human being, And to be confirmed by you.
We are fully ourselves only in relation to each other; The I detached from a Thou Disintegrates. I do not find you by chance; I find you by an active life of reaching out.
Rather than passively letting things happen to me I can act intentionally to make them happen. I must begin with myself, true; But I must not end with myself; The truth begins with two.
この2編の詩はどちらも心に響きます。
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